【2A&言語学専修】熱しやすく冷めやすいシャケの履修日記

お久しぶりです。シャケです。

恒例の振り返り記事です。というか,最近履修日記以外なにも書いてませんね,怠惰。

言語学専修とは

はじめに私が進学した言語学専修について軽く説明を。

文学部G群の一角をなす言語学専修。2025年度は約25名が進学しました。

必修科目一覧

①言語学概論[持出]4単位
②音声学[持出]2単位
③比較言語学[持出]2単位
④言語学特殊講義[一部持出]12単位
⑤言語学演習8単位
⑥卒業論文(or 特別演習)12単位
⑦その他36単位
合計76単位

①言語学概論

厳密には「言語学概論Ⅰ」(週2コマ/A1ターム/2単位)と「言語学概論Ⅱ」(週2コマ/A2ターム/2単位)の2つからなりますが,一方だけを履修することはできないため,まとめて4単位として扱われます。
履修登録のときは,A1タームとA2タームそれぞれ別々に選択&登録する必要があるので要注意!!(修正期間はありますが)

言語学専修内定者は,2Aでの持ち出しとしての履修が強く推奨されています(履修しなかったり,落としたりすると,3Aまでおあずけになります)。

②音声学

「音声学Ⅰ」(Sセメスター/2単位)と「音声学Ⅱ」(Aセメスター/2単位)の2種類ありますが,内容はまったく同一です。そのため,どちらか一方のみを履修することになります(重複履修不可)。指導の関係上,履修人数が20名程度に制限されていることに注意です。なお,後者は言語学専修内定者が優先的に履修できるようになっています。

言語学専修内定者は,(前述の通り)2Aでの履修が推奨されています。

③比較言語学

「比較言語学Ⅰ」(Sセメスター/2単位)と「比較言語学Ⅱ」(Aセメスター/2単位)の2種類あり,どちらか一方を履修すれば必修の条件を満たします。こちらはそれぞれ別内容なので,Ⅰ・Ⅱを両方とも履修することが可能です(このとき,2単位は③の単位に,もう2単位は⑦の単位に参入されます)。なお,Ⅰ→Ⅱで続き物の講義になっていますが,実際はⅡ→Ⅰの順で履修しても問題ありません。私はⅡ→Ⅰの順で履修する予定です。

④言語学特殊講義

名前の通り講義形式で行われる科目群です。

なお,「認定科目」という概念があります。たとえば2025年度の場合,以下の科目を履修した場合も「言語学特殊講義」としてカウントされます。最新の文学部便覧を参照しましょう。

(一部を除いて)持ち出し専門科目には指定されていないため,3S以降で取ることになります。

⑤言語学演習

名前の通り演習形式で行われる科目群です。

6ターム(≒3セメスター)にわたって(≒ [3S→3A→4S]または[3S→4S→4A]または[3A→4S→4A]で)履修しなければいけないという制限があることに要注意1

持ち出し専門科目には指定されていないため,3S以降で取ることになります。

⑥卒業論文(or 特別演習)

制度上は卒業論文か特別演習が選択できますが,実際はほぼ全員が前者を選択します。後者は,文献精読・調査・データ分析などの先生から与えられる課題を3つ行うものだそう(文学部便覧の「8. 認定科目一覧」による)。とんでもなく難しいらしい。

⑦その他

必修分を除いた36単位は言語学研究室開講科目に限らず,文学部や他学部の開講する好きな講義の単位で埋めることができます。だいたいなんでもokという,文学部らしい器の大きさ。

時間割表

水色が文学部言語学,緑色が文学部日本語日本文学(国語学),橙色が文学部日本語日本文学(国文学),黄色が教養学部(後期課程)開講科目です。

ふりかえり

月2 国語学特殊講義Ⅱ「日琉諸方言の文法」小西先生

日琉諸方言を対象に,動詞の自他交替や自発・可能・授受・使役・希望といったヴォイスについての講義。いろいろな方言があつかわれました。

講義内で実際に調査票をつくり,模擬調査を行う機会も。言語調査って難しい。

期末レポートは,使役接辞-(s)ase-ruと-(s)as-uの選択(例:yom-ase-ru「読ませる」とyom-as-u「読ます」)について,模擬調査の結果を分析しました。

平常点+期末レポート(テーマ・字数自由)で評価です。

月3 国語学概論Ⅱ「日本語文法入門」林先生

各回ごとのテーマに沿って,「文法」そのものや日本語の文法・文法史などが取り扱われました。やさしい日本語や,「打ち言葉」なども取り上げられます。

教科書は金水敏(2024)『よくわかる日本語学』ミネルヴァ書房。購入しなくても別になんとかなりますが,しっかり学びたければ買って損はない気はします。たぶん。

なお,国語学概論は担当された先生ごとに講義内容に特色が出るようです。

持ち込み不可の期末試験(+出席)で評価です。講義資料さえしっかり覚えていればそれほど難しくないはず。あまりできなかったけど。

水2・木2 言語学概論Ⅰ・Ⅱ 西村先生ほか

2025年度は概ね以下のような内容が扱われました:

言語学の下位分野,言語の一般的特徴,音声学,音韻論,形態論,統語論,世界の諸言語,言語類型論,意味論,生成文法・認知言語学,歴史・比較言語学,文字論,社会言語学,応用言語学

週2コマで単純に内容が多い&難しい内容も多々あるので,たぶんしっかり勉強したほうがいい気がします。たぶん。特に音韻論の音韻規則・弁別素性の部分は,音声学の知識が必須&慣れるまでが大変なので要注意。

個人的に面白いと感じたのは,音韻論・形態論・歴史比較言語学・文字論あたり。難しいけど。

困ったときには斎藤純男・田口善久・西村義樹編(2015)『明解言語学事典』(三省堂)を参照するのがオススメ。

持ち込み不可の期末試験(+出席)で評価です。こちらもそこそこ勉強していれば全然難しくないハズ。弁別素性はキチンと覚えよう。

水3 国語学特殊講義Ⅵ「日本漢字音研究(体系論)」肥爪先生

日本漢字音についていろいろ学べます。めちゃくちゃ面白かった記憶はあるのですが,じゃあなにを覚えているかと聞かれると,「これ」と答えられないほど入り組んでいました。たぶん。

期末レポートは,漢字音資料の分析か,自由選択です。これが困る。私は締め切り直前まで本当に悩み続け,結局「尾張国郡司百姓等解文」の漢字音を(手動で)漢音・呉音に振り分けただけの,ひどいレポートを提出しました。→意外と優が来ました。やさしすぎる。

出席+期末レポートで評価です。

水4 国文学演習Ⅳ「蜻蛉日記の研究」高木先生

くずし字で書かれた写本(影印本)を読んだり,フツーの翻刻本を読んだり,発表したりと楽しい授業でした。というか,演習なのに持出科目になってるの,珍しい気がする……

頑張って書いた発表資料を,直前にGeminiに「辛口で評価して」と投げたら,ボコボコにされてヒドく落ち込みました。

懇親会も楽しかった。

発表+期末レポート(発表内容のブラッシュアップなど)で評価です。

木1 比較言語学Ⅱ 小林先生

言語がどのように変化するのかについて学べます(ザックリ)。

1限開講だったため,教室とZoomのハイブリッドで実施されました。
なんと,この怠惰な私が無遅刻無欠席で対面出席できました。モチベーションって偉大。

教科書はBybee, J. (2015). Language Change (Cambridge Textbooks in Linguistics). Cambridge University Press.[小川芳樹・柴﨑礼士郎監訳(2019)『言語はどのように変化するのか』開拓社]。今セメスターは第6章「文法化」から始まりました。
講義内で配布されるのは英語版ですが,開拓社から邦訳版が出ています。6,000円と値が張るため,もし邦訳版を利用したい場合は,総合図書館や駒場図書館の蔵書をコピー等で利用するのがおすすめです2。複数の訳者によって翻訳されているため,一部の用語の訳が安定していなかったように思います。読まれる際はご注意を。

先生の訳読と,対面で受講している学生による1回につき1人ずつの訳読などで講義が進んでいきました。言語学概論と試験日程が近くなることの配慮から,後半はUTOL上でCampbell, L. (2021). Historical Linguistics: An Introduction (4th ed.). Edinburgh University Press.の練習問題が数回課題になり,代わりに期末試験が軽めになりました。とてもやさしい。

平常点(発表・課題など)+期末試験(対面のみ)で評価です。

木3 音声学Ⅱ 白井先生

1年次のフランス語初級演習で,[si]と[ʃi]が発音し分けられないことに気づいた私でもなんとかなりました。

音声学の中でも主に「調音音声学」が扱われます。ザックリ言えば,「国際音声記号(International Phonetic Alphabet; IPA)をマスター(発音できる/聞き取れるように)する」のが目的と言えます。
※国際音声記号はこういうヤツ→ [ˌɛk.sə.ˈbɪ.ʃən](英語 “exhibition”)

講義と発音練習,数回の小テストなどによって,いろいろな言語音を覚え/発音できるようにしていきます。最後まで入破音はできるようになりませんでした。悔しい。

期末には実技試験があり,IPAで表記された指定の言語音をだいたい15個くらい発音するというもの。以前は対面で行われていたそうですが,現在は録音した上でUTOLに提出する形式。何回でも練習できるのはうれしい。

平常点と期末実技試験で評価です。

金4 特殊講義Ⅰ[イタリア地中海コース]「ギリシア語方言入門」松浦先生

(古代)ギリシア語の諸方言について学びました。これが本当に面白かった。

アッティカ方言からラコーニアー方言,キュプロス音節文字のキュプロス方言や線文字Bのミュケーナイ期ギリシア語など,それはそれは多様なギリシア語のテキストを読むことができました。古典ギリシア語(古典期のアッティカ方言)を学んだばかりの私には衝撃が大きすぎた。

毎回の訳読で評価です。

金5 言語科学への招待 矢田部先生ほか

言語情報科学所属の先生方によるリレー講義です。90分×11回という文科省もビックリの授業時間。

あまり学際言語科学のカリキュラムには詳しくないのですが,駒場では「基礎言語理論」が,ちょうど本郷の「言語学概論」のような立ち位置にあたるそう。こちらは先生方が研究内容や好きなことを語るタイプの講義。わりと気軽に受けられてコレはコレで楽しかった。

各回,20:00までに提出しなければならないミニ課題(A4半ページ程度)が出される&教室は18:45頃に追い出されるため,これがいちばんつらかった。

期末レポートは,先生ごとに講義内容に沿ったテーマが設定され,好きなものを1つ選ぶ形式。

ミニ課題と期末レポートで評価です。

注釈
  1. もし今後持ち出し科目に指定された演習ができたとしても,文学部便覧掲載の「東京大学文学部規則取扱内規」の別表3にある通り,【演習の必修単位数(=8単位)には参入するが,「6タームにわたって」の条件には含めない】という取り扱いがなされます。つまり,いずれにしても4Sないし4Aで演習を取る必要があることになります。細かいね。 ↩︎
  2. ちなみに,以前OPACから駒場図書館に図書購入リクエストを送ったところ,すぐに蔵書していただけました。うれしい。 ↩︎

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